院長就任5年目のご挨拶
これからの地域医療 — 大隈病院がなすべきこと —
未曾有の新型コロナウイルス感染拡大は、高齢社会のわが国が直面していた医療介護の現況と課題を明確にすることになりました。
お独り暮らしの高齢者や認知症患者さんが増加する医療環境や社会環境の変貌にて、ご存じのように、現在、「病院で治す医療」だけではなく、「地域ぐるみで患者さんを“治し支える医療と介護”」が主役になりつつあります。
すなわち、これからの地域医療は、「病院vs介護施設」「医療vs介護」、あるいは「入院vs在宅」などの対立した枠組みにとらわれずに、地域全体で、各医療機関の機能分化と役割分担(地域医療構想)、および、円滑な多職種による医療介護連携を構築しながら、健康維持、疾病予防と治療、そして、日常生活の支援を提供できる質の高い地域包括ケアシステムの構築が求められています。
そのようなニーズの中で、当院では、地域包括ケア病床と療養病床を活用しながら、急性期病院や診療所だけではなく、介護施設、在宅事業所、保健所・地域包括支援センター、ケアプランセンターなどとの密な連携のもと、地域全体での“健康づくり”と“生活支援”がリンクした“地域づくり”を推進しています(図を参照)。
『我々は、病院と皆さんのお家をつなぐ架け橋でありたい。』をスローガンに掲げて、これからも外来・入院診療、慢性期・回復期医療(リハビリなど)、介護施設への入所支援、在宅療養、医療介護相談、レスパイト入院など幅広い総合的な医療介護を提供できる地域密着型病院でありたいと考えています。
地域の皆さん、医療介護従事者の方には、温かいご支援と激励をこれからもよろしくお願い申し上げます。
地域づくり
令和5年7月1日